GYM

GYMについて

2015/08/12 17:34

すべての人に創作活動という選択肢を


 GYMについてお話しする前に、GYMを始める前に降りかかったある事件についてお話をさせてください。

アトピーとの闘病


 もともとアトピーに悩まされていたのですが、ある年に突然悪化を初めまして、体中がカサブタだらけになりました。自分の体中に五本のカサブタが走り、腕を動かすとどこかのカサブタが割れ、痛みと痒みを引き起こしました。お尻にも広がっていたため、洋式のトイレに座るのにも痛みを伴うほどで、ちょっとした運動すらままなりませんでした。

 お風呂に入る際、鏡に映った自分の姿を見て、ホラー映画にノーメイクで出れるなと。そんな風に思うほどで、病院に行った際「入院一歩手前」とそんな風にお医者さんに言われました。

 とにかく、完治せずともなんか日常生活が送れるぐらいにまでは回復したいと思い、色々な手段を試しました。その中の一つにデトックスがあり、簡単に言ってしまうと、お風呂に長時間つかる、というものでした。実際お風呂に入っている間はかゆみが収まっていましたし、もしかして今の体に合ってるんじゃないかと、そういうわらをもつかむ思いでやり始めました。今にして思うと、お風呂上りの際、肌がマシになっていたのは、傷を治すために塞いでいたカサブタを洗い流していたためで、当然傷口は開く訳です。結果としてアトピーはさらに悪化していきました。でも人間馬鹿ですね。治るに違いないと信じていたからこの試みを続けてしまいました。当然、長い間お風呂に入り続けていたものですから、ある日湯冷めで風邪をひいてしまいました。

お風呂に入らない方がいいんじゃないだろうか?


 3日ほど38度以上の高熱にうなされ、その間当然のことながらお風呂には入る余裕もなかったのですが、体の調子が良くなり、起き上がってふと気が付くんです。

 あれ? 肌の調子がいい。

 この経験から、もしかしてお風呂に入らない方がいいんじゃないか、という事を考え、実行に移したところ、みるみる肌はよくなり、なんとか人前に出られるようにはなりました。ただ、完治したとはいいがたく、汗はあまりかけない、乾燥も湿気も一定以上は厳しい、お風呂もできれば2週間あけたい、というような形で落ち着きました。

インターネットでの商売が生活を救ってくれた


 しかし、冷静に考えて、2週間に一度しかお風呂に入らない人間を、同僚として、あるいは従業員、客商売の店員として欲しいと思いますか? いりませんよね。なのに、こんな状態の自分が生活できたのは、インターネットで商売をしていたからです。

 もともと、腰まである金髪という奇抜な見た目を維持するために、人前に出ない商売をしよう、ということで、インターネットでのお金の稼ぎ方という物を模索していた時期がありました。最初はアフィリエイトで稼ぎ、続いて3Dカスタム少女でのデータ販売に手を付けていました。この、インターネットで稼ぐ、商売をしていたから、このような体の状況になって、会社勤めが難しくなったとしても生活を続けることができました。

生活保護以外の選択肢として


 こういった自分の経験が教えてくれたことは、人生、望む望まざるにかかわらず、事故や病気、天災というものには遭遇します。そして、不幸にして会社人としての生活ができなくなってしまうこともあります。どれだけ気を付けていても、相手の不注意や避けられない大きな事故に遭遇しないとは言い切れません。そして、もし、会社勤めができなくなったとき、我々が取れる手段、という物はそんなに多くはなく、大体の人は生活保護というところに落ち着くかと思います。しかし、生活保護を受給している人のイメージは悪く、できれば働きたいと、自分の手で稼いで税金を納めたいと、そのように考える人は多いと聞きます。

 今の時代、パソコン一台あれば、何かしら作品を作って、発表し、それを売ったり、呼び水にして広告で稼いだり、というようなことができる時代になりました。つまり、会社に所属しなくとも、稼ぐことはできる時代だといっていいと思います。なら、それを最大限利用して、生活保護を受けざるを得ない状況となった人に、創作活動でお金を稼ぐのはどうですかっていう提案。そして、創作活動がよりスムーズに行えるよう、できる限りさまざまな素材を作って、販売し、お金を回していこうとするのは、良いことなのではないかなと、そう考えてこの活動を始めようと思い至りました。

値段に込めた願い


 かつてオペラのマネージャーを経験し、また、自分自身でもバンド活動など舞台の経験を経て、一つ得た結論があります。持論になりますが、多くの人に話したところ、共感を頂いたものなのですが、赤字を受け入れるほど芸は落ちると考えています。

 黒字にするから価値がある。
 価値があるから黒字になる。

 両者ともに卵が先か、鶏が先かという話かもしれません。が、同時に以下のものも成り立つと思うんです。

 赤字だから価値がない。
 価値がないから赤字になる。

 お金をもらうから、お金の有難みが解り、襟を正す。お金を払うから、払ってやってるとどこか傲慢になる。結果として、黒字にする人ほど礼儀正しく、面白い、内容のある芸ができて、赤字の人ほどどこか横柄でつまらない芸をしていると、これは経験則ではありますが、まず間違いないと思っています。

 ですので、お金を頂くのはもちろん、我々が襟をただし、皆さんのおかげでこの商売が成り立っているという感謝の気持ちを抱くと同時に、皆さんも少額ではありますが、きっちりと黒字にしていただいて、価値ある作品を生み出してもらいたいなと、そのような願いを込めさせていただきました。

世は大創作時代


 インターネットの発達、そしてパソコンの普及によって、昨今では何をするにしても安くなりました。ビデオやカメラも安くなりました。デジタル技術のおかげでフィルムが必要なくなり、写真は気軽に誰にでも楽しめるものになりました。今は、パソコン一台あれば、本当にいろんなものが造れる時代です。アニメも、ゲームも、もちろんCGも。3Dプリンターのおかげで、フィギュアの造形や金属の出力のおかげでアクセサリーの自作まで。

 その昔、16世紀の半ばごろ。世界は船に乗り、貿易、海賊、そして冒険といった大航海時代が始まりました。この頃は、特に冒険に出ていたひとは新大陸だけでなく、新たな航路の発見、新たな生物の発見といった具合に、見つけたもの勝ちの時代でありました。今の時代はまさに作ったもの勝ちの時代。つまり、大創作時代と呼んでいいと思います。

 新しい時代が現在進行形で進んでいるこの時代に、素材の提供という形で、時代作り、もちろん皆さんの生活の支えの一助などに関われることは、何よりも大きな喜びとなっています。皆さんとともに歩めることを、幸せに思います。GYMの活動が、新しい時代、そして新しい社会を作る一助となれば、とてもうれしく思います。

 長文にお付き合いいただいて有難うございました。是非、今後もご贔屓にお願いします。