GYM

Dな食卓


ダウンロード
ニコニ・コモンズはこちら

 コミカルながらも何処となく哀愁を感じるような曲になったんじゃないかな。なんか鬼ごっこ的なシーンだったり戦闘だったりで使えたら面白いんじゃないかな。スネアに手拍子を重ねてるんですが、この辺りがなんか楽しそうなイメージを引き立ててる気がしてお気に入り。
作曲時に話した曲のイメージ
 カスタムサーガはデニアの、人としてアレな部分にクローズアップした曲。

 バルカムットという架空の国家。アンデッドを扱う文化が根付いたこの国では、死体の区別をしっかりと行うため、幼少の頃にアンデッドを操作して料理をする、というものが徹底して叩き込まれる。死体を操りながら、食材という死体を間違えて操らないようにという訓練をすることでアンデッドの操作を安定させるのが狙いなのだが、デニアは幼いころに両親を失っており、ひきとった祖父母からはこの教育を施されなかった。

 理由として、祖父母らはすでにアンデッドとして蘇っていたために味がわからず、また、デニア自身も幼心に死体という物が両親を連想させたため、この初等教育を嫌がった。結果としてデニアは料理ができず、調理したものを目にするのは、軍隊に入り、他の人間と集団生活をするようになってからだった。

 問題は、軍というところは集団生活の場であり、当然のことながら料理などは当番制であった。よほどのことがない限り当番から外されることは難しく、もちろんデニアにもこの当番が回ってきてしまった。

 さて、前述のとおり、料理というものは死体の区別をするための訓練の一環として効果的であるために取り入れられたものなのだが、死体の区別がつかないものが死体を触るとどうなるかというと……無意識にこれらを復活させ、アンデッドとして使役してしまうようになってしまう。

 軍隊の食事であるため、当然食材は豊富。

 包丁の扱いに戸惑いながらデニアが作っていく料理は、それはそれは不細工な出来なのだが、お皿に盛りつけられた肉、野菜などといった死体たちが、何とか動ける体を作ろうと、隣り合わせになった食材と融合を開始し始めその結果、厨房より謎の生き物が外へと漏れ出す事態を引き起こしてしまった。

 最初の発見者は料理が遅いので様子を見に来た兵士チェカ。普段驚いた声など出さない彼女の混乱の声に、食堂にいた兵士たちが厨房付近に集まると、そこには謎の生き物と闘うチェカと、ぞろぞろと大量発生したモンスターの群れが。

 あるものは魚の形をした足の生えたサラダ。
 あるものは角の生えた焼き鳥。
 あるものは食器をとりこみ、口のついた喋る食器の複合体等々。

 兵士たちは混乱しながら生き返った食材を切り刻みにかかるが、いかんせん元が食材。細切れにされたところで復活を繰り広げ、また、本人らは初等教育によって食材は食材であると叩き込まれているため、これらのアンデッド操作を奪い返せず苦戦を強いられた。一方のデニアは外の騒ぎに一切気が付かず、どうやって食材を切るのかや、水槽から魚を取り出すのに四苦八苦するなど、料理に必死に取り組んでおり、デニアを気絶させるまでこの混乱は収束しなかった。

 以後、デニアには料理をさせないという決定がなされ、彼女の当番の日はチェカが担当するようになった。

⇒デニアのプロフィール