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 海を船で渡るような場面をイメージしています。戦場の戦闘なんかで使ってもらえると比較的併せ易いんじゃないかな? 後半明るくなるところが有るからちょっとその辺が難しいかも。
作曲時に話した曲のイメージ
 石の船をテーマに作成してもらった一曲。
 
 架空の世界にあった、バルカムット帝国で作られたとある一隻の船のお話。

 元々、バルカムット帝国という国はアンデッドを使うため戦争にはめっぽう強かったものの、その死体が海では沈んだり半端に浮かんだりとでまったくもって使い物にならず、海戦を何とか強くできないかという事で、時の女王セティによって考案されたもの。

 船というものは、材質がなんであれあの船の形をしていれば、あとは隙間さえ何とかできれば水に浮くそうですが、この時代、一般的なのは木の船で、それ以外は浮かばないっていうのが常識でした。しかし、セティは、木の船だって水が入れば沈むんだから、水さえ入らなきゃなんでも浮くだろうっていう割と乱暴な発想から、小型の模型で浮く形状を研究させたました。

 なるべく頑丈なものをという事で、石から青銅、鉄までが試されて、その結果どの材質でも形状さえ船であれば浮くってのが確認されました。しかし、小型の模型は作れても、人が何人も乗るような船を青銅とか鉄で作るのは難しく、だったら石でつくろうよってわけで、石で船が組まれたわけですが……そんなでかい石があるわけ無く、医師の船は、それっぽいパーツを組み合わせて作成されました。パズルして作ったものですから、当然スキマがあります。

 石を組み合わせたものだとどうしてもできる隙間に対して、バルカムットが出した答えは、人の形をしていない肉片を詰め込んで、この死体で船をむりくりつなぎ合わせる、という物でした。

 アンデッドを操作できる人間が乗れば何とか運行ができますよというレベルにまで達したので、実際に海上でどの程度動かせるのかという実験をすることになり、この実験の船長の護衛としてアグリストと呼ばれるオークが抜擢されました。

 オークは人間にあらずという差別意識が強い社会での抜擢でしたので、当然ここでひと悶着あるわけですが、それも何とか丸く収め、いざ、実験当日となりました。

 洋上での実験は、出だしこそ好調でしたが、途中、海の民と呼ばれる敵対している海戦のエキスパートと遭遇してしまい、戦闘へと突入。船底に穴を開けるのを目的とした船の体当たりは逆に粉砕するという脅威の頑丈さを見せて、一瞬ひるませたものの、海の民の方が海戦慣れしていたため、残念ながら拿捕。船長は殺されてしまい、海の底へと沈む結果に終わりました。

 労力の割りに戦果はなかったものの、アンデッドと巨石文化のバルカムットならではの、トンデモ兵器として、人々の記憶には残った、そんな事件でした。

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